今日は市販のカラー剤と美容室のカラー剤の違いについてです。
美容室に行った際、
「自分でカラーするのは控えて下さいね」とか、
「もしかしてご自身でカラーされました?」
みたいなことを言われたことありませんか?
先に答えてしまうと「ダメでな事ではない」のですが、「なぜダメと言っているのか」を少し分かりやすく説明しますね。
◆カラー剤に含まれるアルカリの成分の違い
誰でもムラになりにくいように染めやすいように薬剤の力が強いのはもちろんそうなんですけど…
一般的にカラー剤と呼ばれるものはアルカリ性なんですよね。理科や化学で出てきたやつですね。
髪は元々弱酸性なわけなんですが、そのカラー剤のアルカリが髪に付くとキューティクルが開いて薬剤が髪の内部に作用します。
この反応させるアルカリ性の成分が僕らが使用する薬剤は大体アンモニアを使っています。
そう。あのツーンとした臭いの揮発性のあるアンモニアです。
これが市販のカラー剤になると、使う場所やよりよい使用感のことなども考慮されて揮発性のないアルカリを用いて作られています。
どういうことか分かりますか??
揮発性のあるものだと、カラーの最中にだんだんとアルカリ性の成分が空気中に薄れていくのですが、そうでないものはもちろん髪に残ったままになります。
そうです(._.)
弱酸性の髪に真逆の強いアルカリが残ったままになってしまうんですよね。
これが一番良くないのですよね。
シャンプーしても髪内部にアルカリが残っていると傷むことはもちろん、手触りも悪くなりますし、キューティクルも閉じないで開いたままになる。
光を反射してツヤを感じさせるキューティクルが光を乱反射するとツヤないパサついた髪に見えてしまいます。
も見た目も良くない状態になってしまうんですね。
カラーのあとにはきちんと髪に残ったアルカリを除去したり髪を本来の弱酸性に戻し中和したりするトリートメントを使用しています。
◆塗り分けができない
泡のカラーなんかもご注意を。
手軽で使いやすいのですが、混ぜ混ぜすることによって、傷んでいる毛先にもMAXパワーの薬剤パワーが作用してしまいます。
泡カラーを繰り返している方がもしいらっしゃったら分かると思うのですが、色が抜けてくると毛先にいくにつれてどんどん明るくなる。そしてめちゃ傷みを感じる。
伸びてきた根元だけ綺麗に塗れればまだいいんですけど難しいですよね。
繰り返した回数分のダメージが重なっていくので「切らないとどうしようもない」状態にならないように、どうかご注意を。。
美容室でのカラーは「今より明るくしたい」という場合以外は、
明るくしないといけない根元の箇所と元々明るい毛先の薬剤を違う薬剤で使い分けています。
その中でも状態やダメージを判断し、更に細分化してより弱い薬剤を選んでいるんです。
「じゃあ塗っていきますね♪(^_^)」と、
カラー施術させていただく裏側には、我々美容師がそうしたことも考慮して薬剤を選定していることを頭の片隅に入れていただけると嬉しく思います。
なんとなく「市販のカラー剤はしない方がいい」と言うワケを分かっていただけたでしょうか??
厳密に言うとお伝えしたいことは、染めムラとかはもちろんなんですが、
「傷み、ダメージに直結しますよ」ということ。
「綺麗に伸ばしたい」や「伸ばしてパーマしたい」ことが難しくなったり、デザインの幅も狭まります。結局切らないといけなくなったり。。。
そういったお客様にとっての負の無限ループだけは避けていきたいなと思っています。
日頃のケアももちろん大切ですが、髪を一番傷めてしまうのはカラーやパーマといった薬剤です。
僕もより一層、技術と知識を深めてよりダメージレスにこだわった施術を行えるよう精進して行きたいなと思います。